2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

未成年3 ドストエフスキー

2とは違い、ヴェルシーロフが精神的に落ちていき、アルカージーが成長していく。マカールが作中で最も神がかっていた人物(マクシム等を除く)。マカールの死を境にヴェルシーロフの様子がおかしくなっていく(分身)。この辺りは「悪霊」を読んでいないと…

未成年2 ドストエフスキー

情緒不安定な主人公が語りべとなっているため、とてもとっ散らかっていて人物相関を整理するのに苦労するが、アルカージー、ヴェルシーロフ、セルゲイ、カテリーナ、アンナ、リーザの6人をおさえておけば問題ない。 1とは別人のようになったアルカージー・…

未成年 1 ドストエフスキー

アルカージー(主人公)とヴェルシーロフを中心に展開されていく。ヴェルシーロフは第二主人公といっていいくらいの役割。罪と罰のスヴィドリガイロフ的な。 良心と離れて暮らしたことで屈折した20になっても思春期(中二病)全開のアルカージーに対して、…

プラトン パイドン-魂について

ソクラテスの最後に立ち会った人のうちの一人であるパイドンがその様子を借り聞かせるという構造。よってプラトンの存在はぼかされている。 一読しただけで全てを理解するのは不可能であるため、様々な知見を得てから読み直したいと思う。 ①魂の性質 ②魂と肉…

貧しき人々 ドストエフスキー

ドストエフスキーの処女小説。 文通のみで物語を展開している(書簡体小説) 主人公のカマールは教育院(現代では児童養護施設)の出であるため、教養が無く、文体も滅茶苦茶であったが、ワルワーラとの文通を通して改善されて行っている。どんなに貧しくて…

悪霊 別巻「スタブローギンの告白」異稿

悪霊におけるチーホンのもとでは厳しい検閲により、ドストエフスキーが満足のいくように掲載することが叶わなかった箇所。 ①初校版 ②ドストエフスキー校版 ③アンナ版 ②では反革命的要素が多分に含んでいる ③反宗教的要素を多分に含んでいる ⇨保守的な検閲、…

悪霊 第3部 ドストエフスキー

ユーリヤ婦人の催しでの事件を皮切りに、悲劇が加速する。死に過ぎと思ったものの、死んで初めて印象に残った登場人物も多数いたので、ある意味読みやすくなっている。 革命運動に対する批判が強く、徹底的に悲劇にしたのか? 死亡した人物はそれぞれの思想…

悪霊 第2部 ドストエフスキー

・スタブローギンのカリスマ性 ・哀れなピョートルとレンプケー ・スタブローギンのマゾヒズム 学生運動の連中の描写がとてもリアルで、各々理念を掲げるも、操り人形のよう。また、革命にはカリスマが必要不可欠であることをピョートルが十分すぎるほどに理…