めっちゃ面白かったです。ファーストスラムダンクと張るくらい、話の深さでいったらそれ以上の映画とは思いもしませんでした。漫画(1巻)買いたいのにどの書店でも売り切れですね。取り寄せ頼んでも、出版社に在庫が無くて悲しい。
セイレーン、神殺し、原罪、罪と罰、私刑、性善説・性悪説といった、神話や哲学などの要素がてんこ盛りで全くもって子供向けではありません。すべての面白い要素について言及したいところではありますが、「罪と罰」と「性善説・性悪説」に絞りたいと思います。
以下、ストーリーを時系列で説明(大ネタバレ)
セイレーン(巨大)と3匹の人魚が人魚の島に上陸。セイレーンの歌声は作物を豊かに実らせるという効能があり、その見返りとして島民に供物(味の濃い食べ物)を要求するという形で、圧倒的な力を持つセイレーンによる脅迫ではあるものの、協調関係を保っていた。
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人魚の島の島民であるヒトハとフタバが海で釣りをしていると、セイレーンと3匹の人魚に巻き込まれて(過失)フタバが瀕死の重傷を負う。そこで、ヒトハはフタバを助けるために人魚を食べると永遠の命が手に入るという伝説に縋り人魚を殺害して(故意)フタバに食べさせる。フタバは目覚めてすぐに人魚を食べたことに気づき、一人で永遠に生きることに恐怖し、ヒトハにも人魚を食べさせ、ヒトハも永遠の命を手にする。永遠の命を手にするとお知りに電池ポケット(単三電池)ができる。
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人魚を殺されたことに激怒したセイレーンは、犯人を捕まえて拷問(体ぴったりの檻に閉じ込めて海底に沈め、永遠の命をすごさせる)するために、島民を片っ端から捕まえて捕食する(故意)。
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セイレーンの被害を食い止めるために、高額の報酬で釣り、島外へ助けを求める。(クエストの内容は伏せており、実際の報酬は醬油という虚偽表示。)
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上記のクエスト(高額報酬)につられ、ちいかわ、ハチワレ、うさぎなどの面々が人魚の島へ訪れ、ヒトハとフタバと仲良くなる。
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ちいかわ、ハチワレ、うさぎがセイレーンの寝床に迷い込み、襲われるものの、セイレーンの早とちりということで謝罪され難を逃れた。また、人魚を殺されたことをちいかわ達に語り、人魚殺しの犯人捜しを手伝って欲しいと頼まれる。
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セイレーンが島民の集落を襲う。事情を知るちいかわ達はセイレーンと戦うことを躊躇する。ラッコと島民2名がセイレーンに攫われる。島民たちはちいかわ達を囲みセイレーン討伐をしてほしいと懇願する。ここで、虚偽表示もバレるが、ラッコの救出及びちいかわ達の善意に付け込む島民の囲みによってセイレーン討伐を引き受ける。
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ちいかわ一行とヒトハ、フタバVSセイレーン・・・ハチワレ、モモンガ、古本屋が捕まる。命からがらセイレーンから逃れたちいかわは島二郎(しまじろう)と出会う。しまじろうの助けを借りて、捕らわれていた面々を開放することに成功。
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VSセイレーン第三ラウンド・・・セイレーンを集落で迎え撃つ。ちいかわ考案:島二郎の激辛カレー作戦により、ちいかわ達が勝利。地面でもだえるセイレーンを島民が憎悪の表情で取り囲む。これ以上襲わないから許してと懇願するセイレーンの言葉を信じハチワレの判断により、とどめはささなかった。また、この戦闘途中でちいかわとセイレーンはヒトハ(フタバかも)の単三電池を目にしたことで、人魚殺しの犯人がヒトハとフタバであることを確信。(ヒトハとフタバの家で人魚の鱗を目にしたりと疑惑はあった)
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セイレーン撃退祝いのキャンプファイヤーが開催される。島民が祝福ムードをよそに、苦悶の表情をしたちいかわはヒトハとフタバに話しかけようとするも、何も言わなかった。(二人を断罪しなかった。)その後、何かを決意した二人はどこかへ去っていく。ちいかわ一行の見送りが盛大にされるも、二人の姿は無かった。
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エンドロール
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二人は別の島へ移住していた。セイレーンと2匹の人魚はその島へ向かって泳ぐところで終了。
勢いあまって、ストーリーライン書き連ねましたが、ワンピースのアラバスタ編くらいきれいな構成ですね。魅力的なボスに、善悪はっきりできない現実の難しさをポップなちいかわで味わえるとは驚きました。
ヒトハが最初に犯した罪(人魚の殺害)はフタバを助けるため及びセイレーンに対する報復ということで正当化しています。そして、人魚の殺害の報復によりセイレーンが島民を殺害している中でも、黙認し続けていたことはかばいようがないものの積極的に新たな罪を犯したとまでは言い難いです。ドストエフスキーの「罪と罰」では、最初の殺害はなんとか理屈をこねくり回して正当化(自分は大してなんもされてないのでヒトハとフタバよりひどい)したものの、突発的に罪のない人を殺害したことはかなり悪質で、全くもって正当化できないものであったため、主人公も自責の念にかられ自首に至ります。
ヒトハとフタバ・・・人魚の殺害1点+黙認1点+逃亡1点=3点
⇨セイレーンによる制裁?・・・永遠に閉じ込め
罪と罰の主人公・・・最初の殺害1点+第二の殺害2点-自首1点=2点
⇨流刑地で愛を知る
こうやって並べるとちいかわの方がグロテスクですね。まるで救いが無い。ただ、ヒトハとフタバは2人組ということで、お互いを守るためという新たな正当化が生じるのが難しいところです。
善良なちいかわはヒトハとフタバを断罪しなかった⇨二人は逃亡
善良なハチワレはセイレーンを見逃した ⇨セイレーンは二人を追いかけた
という構図はやるせなさを感じるため、エンドロール後のシーンはいほうが救いがあるものの、憎しみの連鎖を断ち切れない現実をよく表しているともいえます。個人的には、性悪説を多少なりとも補強する内容にもやっとする気持ちもありますが、、、(性悪説は現実だけでお腹いっぱいなので、物語くらい夢見させて欲しいという願い)
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