車輪の下で ヘルマン・ヘッセ

神学校への入学、卒業のためにあらゆるものを犠牲にした哀れな少年の物語。元来、心優しい少年の性格が屈折していく様は現代の受験競争で疲弊していく子供にも見ることができるだろう。ただ、受験中の子供にこの書籍を読ませた方がいいかといったら疑問、精神が壊れる寸前なら見せるべきだが、勉学を怠る言い訳材料になりかねない。ただ、教育に厳しい親や教員は読んだ方がいいと思う。

日本でも、学生時代に我慢を強いられ、屈折した性格をもった人間がある程度のポジションについて国民を痛めつける例が多々あるように見受けられる。(例:財務官僚)成長過程で優しさに触れず、屈折した人間が国家を運営すれば当然の帰結といえば当然である。

強制された勉強の果てに幸せなんてない。自らが世界に対して真に渇望する動機が無いままに鞭をうっても意味がない。勉強に限らず仕事にも言えるだろう。多大な時間を投じて得られる数十万の稼ぎで幸せになれるのなら救いがあれど、過労死という結末も少なくない。

この書籍を通して、自分や周りを追い詰める人が減り、優しさにあふれた世界になれば幸いだ。この書籍の内容とは逸れるが、この世界や社会の仕組みについて調べれば調べるほど、行き過ぎた株主資本主義の維持のために、身を粉にするのが馬鹿馬鹿しくなる。共産主義となんら変わりない。